新商品を開発するための6つのステップとは?

新商品開発と聞くと、多くの方が今までとは異なる製法で全く違う商品を開発することをイメージされます。例えば、今までどこの他社も作っていない商品を開発したり、或は食品会社が石鹸や化粧品、健康食品を作ったり、また他社が作ったヒット商品を真似たりするなどです。ですが、そのようなこれまでとは全く異なる商品を開発するとなると、研究開発費はもちろんのこと、製造方法や機器を変えたりすることが多いため、中小企業向けの開発方法とは言い難いです。

そこでたべラボでは、製造方法はほとんど変えずに、新たなターゲットに対して、新たなネーミングやパッケージを用意して売っていくことから始めるケースが多いです。そこには今までのメイン商品を大幅にリニューアルすることだけでなく、厳選素材や希少材料を用いたプレミアム商品を開発して既存客をファンにする取り組みや、プレゼントによるお客様の紹介・新規開拓も含まれています。

新商品開発の具体的な順序は下記になります。

① ターゲットを明確にする
② 成功マップを作成する
③ 開発チームを立ち上げ、新商品を試作する
④ 試作品の評価と価格調査を行う
⑤ テスト販売を行う

では具体的に説明していきましょう。

① ターゲットを明確にする

まずは、あなたのお客様となるイメージ像を明確にします。

具体的には、メイン商品を買ってくれそうなお客様(=ターゲット)の名前や勤務先、職種、居住地、家族構成、趣味、使用しているアプリやサイトなどです。もちろん最初はイメージの部分が多いかもしれません。ですが後々は、SNSを中心にお客さんとコミュニケーションを重ねていくことで、より明確にすることができます。

例えば、ターゲットは40歳後半~60歳くらいの女性で都会に住んでいる。旦那さんに十分な収入があり、自身は家業の手伝いだったり、定時で帰れる仕事だったりをしている。旦那さんと自身の健康のためにより品質の高い自然派の食品、食材を購入するようにしている。子供は2人。同居、あるいは一人暮らし、結婚をしているが比較的近所に住んでいる。趣味はヨガ、テニス、ゴルフなど体を動かすことも行い、料理を作ることも大好き。月に2回程度、高級なランチ、食事に出かけているが、自身で作った料理もインスタに投稿している・・・のような感じです。

もしターゲットとするお客様のイメージが湧きにくければ、まずはターゲットに近いと思われる身の回りに実在する方だったり、ドラマやマンガのキャラだったり、すでに仲良くなっているお客様からイメージを膨らませていくのも1つの方法です。

● 通販用メイン商品の考え方について

ターゲットを明確にすると、既存の商品のままでは通販用のメイン商品(ミドル商品)として流用できないケースが非常に多くあります。メイン商品が下記の条件をすべて満たしていない場合には、新たなメイン商品を開発しましょう。

※メイン商品はお客様に継続して購入いただく商品です。通販において、リピート客に育てていくためには年に6回の購入が必要であると言われいます。つまり2か月に1回の購入を目安として、商品の容量を決定する必要があります。もちろんお客様にはレシピや栄養に関する情報発信など、メイン商品の継続・習慣化を促進するための活動も行っていきます。

② 成功マップを作成する

次に成功マップを作成します。
通販に改めて取り組むと決めた際に作成した成功マップ(カスタマージャーニー)です。

ただ、今回はお客様視点で作成します。
お客様がどのようにあなたの新商品と知り合って購入し、その後どんなふうに食べ続けていくことで「この商品と出会えてよかった」と感じてもらえるかをイメージします。

③ 開発チームを立ち上げ、新商品を試作する

①②を踏まえた上で、社長または経営幹部で思いついた新商品のイメージを中心に、メンバーを各部署から集めて開発チームを作ります。この各部署からメンバーを集めるところがミソなのですが、面白いくらいにたくさんのアイデアが出てきます。②でお客様の視点をしっかりイメージしたつもりであっても、部署によってお客様から届く声や日々の業務から感じていることがそれぞれ異なっているのがよくわかります。

そのアイデアを一つずつ試作して、社内全員で味見をします。その上で、新たに意見をもらいつつブラッシュアップしながら、新製品の候補を絞り試作品を作成していきます。

④ 試作品の評価と価格調査を行う

複数の試作品ができ上った後、お客様の中から試作品の開発に参加してくださる方々(味見隊)を募り、味の評価をいただきます(3種類くらいの食べ比べを行っていただくのがベストです)。それから試作品を最終的に1つに絞り込み、改めてお客様へ試作品の最終評価と価格調査にご協力をいただき、新製品を発売します。

➄ テスト販売を行う

既にお客様から生の声をいただいているとは言え、実際にどれだけの数が販売できるかは未知数です。もし贈答用の商品以外であれば、最初から新パッケージを大量発注するのではなく、まずは既製品の袋や容器にカラー印刷のオリジナルシールを貼るなどして販売しましょう。テスト販売で実績を作ってから、パッケージのコストダウンを図ればよいのです。当然、テスト販売中に製造工程の見直しや梱包方法の見直しなどが発生する可能性もあります。新商品開発はトライ&エラーの連続ですので、一つ一つ進んでいくことをお勧めします。

また商品開発に携わったお客様(味見隊)からの新商品の感想は、新商品の購入を後押ししてくれる重要な声です。新商品のページやチラシ等に記載することで、より魅力的な商品であることが伝わります。そして味見隊の方々の多くは、新商品のファンになってくれます。新商品が売れた暁には、改めてあなたから味見隊の方々へ感謝の気持ちや労いの言葉を伝えていただければと思います。

最後に

新商品開発のヒントは、お客様からの喜びの声やお問い合わせ内容の中にも隠れています。例えば「もう少し内容量が少ないといいな」というような意見があれば、それを具現化するだけで新商品になる場合もあります。ですので、新商品のヒントに味見に価格調査にと、お客様とのコミュニケーションは新商品開発に欠かせないものであることを忘れないでください。